ひなみ大学「文学」の探Q12題
(2015年4~6月)
私たちは、「今ここ」に生きています。それゆえ、全ての物事を「今ここ」という地点からばかり見てしまいがちです。例えば、コンビニは今やどこにでもありますから、近年生まれた子供たちはこれがずっと昔からあるかのように感じても不思議ではありません。しかし、コンビニという店舗形式がこれほど普及したのはこの20年から30年にすぎませんから、子供たちは錯覚しているということになります。同様の錯覚は私たち全員の中に無数にありますが、「今ここ」にだけ触れているうちは、なかなか気づきません。そして、それは、目の前に広がる豊かな世界に触れる他の方法や感性に気づかないということに他ならないのです。そこで、ひなみ大学「文学2015」では、古典から第2次世界大戦前までの文学作品に触れ、「時代の感性」の変化を探ることを通して、私たち自身の時代や感性を見つめ直すことに取り組み
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目的: 古典から戦前までの文学作品に触れ、「時代の感性」の変化を探りつつ、私たち自身の時代や感性を見つめ直す。
<探Q12題>
探Q① 古今和歌集(905年)
古今和歌集仮名序によれば、「やまとうた」とは何であるか?
探Q② 「方丈記」鴨長明(1212年)
方丈記の書き出しにある「川」は何を指しているか?
探Q③ 「風姿花伝」世阿弥(15世紀初め頃)
繰り返し出てくる「花」というキーワードは何を意味するか?
探Q④ 「枕草子」清少納言(996年)
成立年代は1世紀ほどの違いである「古今和歌集」と「枕草子」を決定的に隔てるものは何か?
探Q⑤ 「源氏物語」紫式部(1008年)
「源氏物語」が「世界最古の長編小説」にして「日本文学史上の最高傑作」と呼ばれるのはなぜか?
探Q⑥ 「平家物語」(13世紀前半)
なぜ琵琶法師が「平家物語」を語るのか?
探Q⑦ 「徒然草」吉田兼好(1330年頃)
徒然草と方丈記の最大の類似点と相違点は何か?
探Q⑧ 「奥の細道」松尾芭蕉(1702年)
松尾芭蕉は何に突き動かされて旅をしたのか?
探Q⑨ 「学問のすゝめ」福澤諭吉(1872年)
作者はなぜ学問を読者にすすめるのか?
探Q⑩ 「後世への最大遺物」内村鑑三(1894年)
今日このタイトルで講演するならば、「後世への最大遺物」は何であると結論づけるか?
探Q⑪ 「最後の一句」森鴎外(1915年)
この物語を現代劇に翻案するとどのような筋立てになりそうか?
探Q⑫「掟の門」フランツカフカ(1914年)
門番は一体誰なのか?何を守っているのか?
<講座要項>
日時:毎週木曜 19:30~21:30(2時間)
受講料:10,000円(税別)
講師:黒川裕一
お申込み・お問い合わせ:tel/090-1947-1054 email/juku@hinami.org(ナカンダカリ)